平成30年(2018年)6月定例会 意見書反対討論

 おはようございます。自民党会派の大山です。
ただいま議案となっております意見書案第2号及び決議案第3号について、反対の立場から討論をさせていただきます。

 まず、本事故にとってはまことに遺憾ではございます。しかしながら、当該パイロットが助かったことにつきましては、同じ人間としてよかったことと思います。
まず、航空機の事故というものは、その特性から、事故が発生した場合は飛行を再開するまでに安全の確保を行います。
これは自分の部下、状況によりお客様を危険で不安全な乗り物に搭乗させるかというと、当然ながらそうではありません。一定の安全や事故の再発防止を行った上で運航を行います。
これは民間航空機、そして軍隊限らず、当然そのように行います。
中国人民解放軍及び中国当局関係者の活動が尖閣諸島で活発化し、日本全土を含めた極東全体の安全を脅かす存在となっております。
尖閣諸島を含め沖縄県、そして那覇市でも非常に注目を浴び、那覇市としても6月13日の私の一般質問でも、当局についてはその行動は認識していることは明らかになりました。
航空自衛隊の緊急発進については、平成28年度は全国で過去最高の1,168回、那覇基地から803回、平成29年度には全国で904回、那覇基地から477回の緊急発進があり、航空自衛隊のF-15J・E-2Cが対領空侵犯措置及び同支援飛行を実施しております。
尖閣諸島海域における中国公船の動向につきましては、平成28年度は領海侵犯が121隻、接続水域内で確認数が729隻、平成29年度は領海侵犯が108隻、接続水域内で確認数が696隻となっております。
それらの脅威から我が国の平和と独立を守るため、自衛隊、海上保安庁が日々水際で守っていただき、まさに自らの身をもって我が国の独立と平和を守る、そのような行動を行っております。当然ながら、それらの職員については那覇市民も含まれております。
日米安全保障条約では、相互の安全保障のため、個別的自衛権のみならず集団的自衛権までも認めているドイツ、イタリアの加入しているNATO条約とそれを基礎にする地位協定、一方、相互ではなく日本を一方的に防衛する日米安全保障条約と地位協については同様に比べることは困難であります。日本を一方的に防衛する米国にとって、日本の防衛という目的を達成するため、訓練をしているものと言えると思います。
日本の平和と独立を守っているために、米軍が訓練をせざるを得ないという状況であると言っても過言ではありません。
米軍関連施設についても、SACO合意の下、安倍総理を中心とする自公政権が、昨年12月に北部訓練場の約7,500ヘクタールのうち、その過半数の約4,000ヘクタールが日本側へ返還されました。沖縄本島における米軍施設の17%の削減となるものでございます。
昨年5月20日には、市内で米軍牧港補給地区の一部返還と米軍西普天間住宅地区の地権者への引き渡しの式典が開かれました。菅官房長官は「基地軽減に向けた大きな一歩だ。牧港補給地区と米軍普天間基地の一日も早い全面返還と逐次進行に全力を取り組む」と発言をされ、着々と返還が行われております。
今後も逐次、SACO合意に基づき、軍用地返還を進め、現在、在日米軍関連施設の約20%がある沖縄県の負担、県土の約8%が米軍関連施設である負担を引き続き減らしていくことに進めていってもらいたいと思います。
自衛隊や海上保安庁等の官用機、そして米軍という存在については、民間機以上に安全を確保しなければならないということを踏まえた上で、航空機の事故については、本年度、民間航空機だけで、国内だけで、先日沖縄県内の航空会社が墜落したヘリコプターも合わせ2件の墜落、そして4件の航空事故が発生しております。昨年度は6件の航空機事故を含め20件の航空事故が発生しております。これは事故調査の対象のみで、ほかの事件を含めれば、より多くの事件があることは推察されます。
すべての事故をなくし、安全・安心な環境をつくることは非常に大事でございます。民間航空機がこれだけ多く事故を発生させるからといって、米軍機に事故を起こしてもいいというわけではございません。
しかしながら、一般的に航空機を含め、自動車も船舶も人も完全なる安全、事故ゼロというものは目指すものでございます。
しかしながら、現実的には非常に厳しいものとなっております。
しかしながら、今以上安全について配慮をすること、それを追求することはできます。各種の事故、ひと時も長く続かない安全な状態を強く望むものでございます。
個人的にではございますが、関係をもつ米軍将官に話を聞いたところ、米軍においても安全については非常に危惧をしております。そのために安全管理体制により重点を置いてきたという話をしていただけました。当該将官については、安全にゴールはないという気持ちで継続的に追求していくという話もいただけました。そのまま強く継続していただきたいと思います。
今回までに米軍として飛行再開に関して、発表がなく飛行したことがあり、そのときは自民党会派についても抗議決議を行いました。
今回については、前日の6月12日に発表があり、その中に、経験豊富な上級パイロット及び整備士が事故初期の事実関係を見直し、今回の事故は、嘉手納基地に所属するF-15全体の安全に問題があることを示すものではないと確信したという一言があり、この声明でF-15の機体構造上の問題ではないことがわかり、F-15全体にかかわる問題が発生してないことが示されております。
その上で、24時間をかけF-15の全機体の点検を行い問題がないことと、パイロットに諸規則の徹底、これらの2つの行動により、機械的、人的にさらに安全施策を講じることが理解をでき、これは一般的に航空関係の知識と防衛力の知識があれば、ある一定の安全性が担保され、それ以上の安全性を確保したことは明白にわかります。
自民党会派も、米軍基地についてはこのままでよいとは思っておりません。日本の防衛は、日本の自衛隊が行うべきだと思いますし、地位協定も含めた見直しなどは、適宜行っていくべきものだと思っております。
しかしながら、沖縄を取り巻く中国の活動の環境を鑑みたとき、米軍と共同で市民・県民を守るためには、現時点においては米軍を容認せざるを得ないところもございます。
よって、以下の理由により、我々は本意見書及び抗議決議に対し反対をいたします。
1.嘉手納基地所属のF-15は、基本的に那覇市上空を飛行していないこと。
2.事故現場について、那覇沖でなく糸満市沖であること。
3.地元の嘉手納町が既に抗議決議を行っていること。
4.米軍によって、F-15の構造的欠陥でないことが確認されていること。
5.訓練再開前に事前の説明がなされていること。
これらを総合的に判断し、那覇市議会において本意見書及び抗議決議に賛成することができず、各議員や各政党それぞれで行動するものであると考えます。
我々自民党会派は、最も真の沖縄の現実的な平和を考え、真の沖縄の平和を追求する会派であると確信しております。
那覇市議会の抗議決議や意見書というものの性格と重さを各議員が慎重に考えていただきたいと思います。

TOP