本土復帰50年に際し、市民・県民の生命を守る任務遂行に対する感謝決議

◎大山たかお 議員 
ただいま事件になりました決議案第6号、本土復帰50年に際し、市民・県民の生命を守る任務遂行に対する感謝決議について、提案理由を説明したいと思います。
性質上、全会一致が旨であるような中で、異議ありということがありましたので、内容も丁寧に説明をしていこうと思いますので、よろしくお願いします。
今年で沖縄県は復帰50年の節目の年を迎えます。本土復帰と共に様々な関係機関などが沖縄県に配置されることとなりました。
自衛隊と海上保安庁については、離島の患者空輸を行うなど、直接的な人命救助活動の功績がございます。
昭和47年、自衛隊は本来任務ではなかった離島の患者空輸をはじめ、不発弾処理や行方不明になった漁船の捜索など多くの人命救助に関する活動を行ってまいりました。
本年4月6日には、自衛隊、本市の消防局及び関係医療機関が連携し、復帰以来50年間で緊急患者空輸任務完遂1万件、1万300人余りの人命を救う活動を行っております。
残念ながら災害派遣中には、1990年、民間人医者1人、隊員の3人が殉職、2007年には隊員4人が殉職する事故も患者空輸中に発生しておりますが、その悲しみを乗り越えながら、任務は継続してまいりました。
海上保安庁についても本土復帰と同時に配置され、最近では非常に緊迫した状況である尖閣諸島の警備を行いながら、八重山中心に緊急患者の空輸のほか、漁船におけるけが人や急病人の搬送などを継続的に行っています。
災害等に関する感謝決議につきましては、東日本大震災などでは、多くの県議会・市議会が感謝決議を採択しております。また、記憶の新しいところでは、昨年発生した静岡県内の土石流災害に対し、静岡県議会が関係機関に対し、「梅雨前線に伴う大雨による災害に係る救難活動等に感謝する決議」が全会一致で決議されております。
沖縄県本土復帰50年の節目を迎える中で、尖閣諸島での警備を行いながら緊急患者空輸を行う海上保安庁や自衛隊患者空輸1万件に達したことは、非常に意義深いものであり、本議会においても今のタイミングで感謝決議を可決することが重要であると考え、これまでの関係各位の御尽力に感謝するとともに、志半ばで殉職された方々に哀悼の誠をささげ感謝決議の提案を行いたいと思います。
それでは、本文の朗読に入ります。
本土復帰50年に際し、市民・県民の生命を守る任務遂行に対する感謝決議。
戦後27年の米国統治を経て沖縄県が本土復帰をして、本年は50年の節目を迎える。多くの離島を抱える島しょ県の沖縄は、これまで「島チャビ(離島苦)」に挑戦しながら振興発展の歩みを進めてきた。復帰とともに配備された自衛隊は、本来任務ではなかった緊急患者空輸を昭和47年、粟国島を皮切りに開始し、本市消防局や医療機関と連携しながら、本年4月6日に南大東島の緊急患者空輸をもって搬送数が総計1万件を超えるに至った。
その他にも災害派遣として市内外における不発弾処理や、行方不明漁船等の捜索など市民・県民の生命を守る活動を継続して行っている。
また、海上保安庁も同様に本土復帰以来、3千百件余の離島患者空輸や漁船等からの救助を行っているほか、ドクターヘリも同様な任務を行い、この復帰50年には様々な行政機関や医療機関などの連携と協力があり市民・県民の生命と財産が守られてきた。
よって本議会は本土復帰50年に際し、関係機関並びに関係各位における市民・県民の生命を守る任務遂行に対して、深甚なる敬意と感謝の意を表するものである。
以上、決議するということであります。
宛先等については、関係各位ということで特に定めておりません。
以上です。議員各位の御賛同をよろしくお願いします。

○久高友弘 議長 
これより討論に入ります。
(「議長」と言う者あり)
前泊美紀議員。

◆前泊美紀 議員 
ただいま議題となっております本土復帰50年に際し、市民・県民の生命を守る任務遂行に対する感謝決議について、いささか賛成しかねる立場で討論をいたします。
さて、本年4月6日にこの案文によりますと、南大東の緊急患者空輸をもって自衛隊の搬送数は総計1万人を超えるに至ったということであります。
これまで本来任務でなかった時代も含めて、自衛隊の皆様の島嶼県である沖縄への任務、誠に深く感謝をしているところでございます。誠にありがとうございます。
また、日ごろよりのその他、海上保安庁また民間のドクターヘリ、行政機関や医療機関の皆様に対しましても、市民・県民の生命を守る任務を遂行してくださり本当にありがとうございます。日々感謝申し上げております。この感謝の思いは、提案の会派の皆様、そして賛同の皆様とともにあるものでありまして、何ら変わるものではありません。
私自身も自衛隊等にも友人・知人が多くおりまして、彼ら、彼女らから話を聞くにつれ、その任務の偉大さ、そして私、視察や見学もさせていただいておりますけれども、日々の訓練、そして備えに対して、本当に敬意を深くするものでございます。
それで、先ほど大山議員からも御紹介がありましたこのような感謝決議に関しましては、東日本大震災などの災害時、また近いところでは、先ほども御紹介がありました静岡県での豪雨災害にかかる感謝決議も出されているということで、この趣旨の感謝決議があることは存じ上げてございます。
しかしながら、これらは災害時という緊急なケースにおいてであるというふうに認識しております。
一方、今回の感謝決議ですが、これは災害など非使用時への決議という状況とはちょっと違う趣なのかなというふうに理解しているわけなんですけれども、救急搬送という非常に重大な任務ではありますが、平時の通常公務の範囲での各組織の任務というふうに受取られ理解をしております。
その趣旨からすると、決議の重さということを考えるには、決議になじまないのではないかということが賛成いたしかねる理由の1点でございます。
そしてもう1点、この感謝決議案に関しましては、議会運営委員会で議論をされたという経緯がございます。その中では全会一致をみなかったということで、議運で取り扱わないというような結論だったと思います。これも先ほど大山議員からございましたとおり、私もこのような感謝決議は全会一致で通すのが望ましいと思っております。
そういった観点からすると、もう少し議論を重ねる必要があったのではないかと思うところでございます。
しかしながら、今のタイミングで提案されておりますので、私ども無所属の会としても結論を出さざるを得ません。
よって、以上の事由を総合的に判断した結果、今回は感謝決議については、決議になじまないという理由で、賛成をいたしかねるという立場を表明させていただきます。議員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。

○久高友弘 議長 
ほかに討論はございませんか。
(「議長」と言う者あり)
屋良栄作議員。

◆屋良栄作 議員 
屋良栄作でございます。
本土復帰50年に際し、市民・県民の生命を守る任務遂行に対する感謝決議について持論を述べさせていただいた上で、賛成させていただきたいと思います。
持論を述べようと思ってここに立ちましたのは、次の2点からでございます。
一つは、復帰50周年に絡むということ。それから自衛隊への感謝という形で、たくさんある中での一つではございますけれども、含まれているということから述べようと思いました。
先ほど、前泊議員からもありましたけれども、私も本来であれば感謝決議、あるいは記念決議、例えば復帰50周年記念決議とか那覇市制100周年記念決議というものは全会一致が旨であろうと思うし、それがまた価値を生むのではないかなという考え方には賛同する1人であります。
しかしなから、今回あえて出されたということでありますので、自民党会派の皆様にもまた強い思いがあるということも伺い知ることができます。
私は、今回、本来なら全会一致ということなんですけど、仮に全会一致にならなくても、自衛隊をはじめ海上保安庁、そして関係機関の皆様の御努力を、おそらくほとんどの市民が、そしてほとんどの議員が評価していることには変わらないだろうと思っております。
賛否が分かれたり、あるいは退場が出るかもしれないことも今後ありますけれども、それは議会でのあくまでもやり取りの中での価値観の違いから生じていることだと思っております。
自衛隊については、もう一言述べさせていただきたいと思います。
私も長く議員を務めさせていただいて、20世紀から務めてまいりましたけれども、当時はまだ自衛隊への風当たりが強い時期でありました。
私の先輩方はもっと強い時期を経験されておりまして、成人式に参加させないとか、自衛隊出ていけとか、いろいろ言われておった時代もありました。そういう中で、自衛隊の皆さんが一日一日市民・県民の命を守り、安全を守っていただいてきた評価というのは、本当に高まって、市民・県民の間でもわだかまりがなくなっているというふうに、また溝がかなり狭まってきているというふうに感じさせていただいております。
以上、所見も述べさせていただきましたけれども、最後に、日夜汗を流して前線で任務に励む関係各位の方々の御活躍とさらなる御健勝をお祈り申し上げまして、賛成とさせていただきます。
議員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

○久高友弘 議長 
これにて討論を終結いたします。

○久高友弘 議長 
休憩いたします。

○久高友弘 議長 
これより、決議案第6号、本土復帰50年に際し、市民・県民の生命を守る任務遂行に対する感謝決議について、採決を行います。

○久高友弘 議長 
まず、点滅する参加ボタンを1回だけ押してください。

○久高友弘 議長 
参加ボタンの押し忘れはありませんか。

○久高友弘 議長 
なしと認めます。

○久高友弘 議長 
それでは、決議案第6号について、原案のとおり、決することに賛成の議員は賛成ボタンを押し、反対の議員は反対ボタンを押してください。

○久高友弘 議長 
賛成ボタン・反対ボタンの押し間違いはありませんか。

○久高友弘 議長 
なしと認めます。
(賛成多数)

○久高友弘 議長 
賛成多数であります。
よって、決議案第6号は原案のとおり可決されました。

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