政治

宮古島駐屯地に関する報道について

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はじめに

一つの言葉だけを切り取っては、真実は見えてこない。

2025年8月、宮古島で行われた陸上自衛隊の新隊員徒歩訓練をめぐり、比嘉隼人警備隊長の
「許可を取れ」という発言が大きな波紋を呼びました。
沖縄の主要紙は 「市民への恫喝」 と強調しましたが、果たしてそれだけで判断してよいのでしょうか。
この記事では、
発言の背景と正当性
徒歩訓練の必要性
報道の偏りと不均衡
の3点を整理し、さらに宮古新報が報じた市民団体側の差別的発言にも触れながら、より公平な視点から考察します。

元自衛官の立場から見た現場の実情を交えつつ、訓練と報道のあり方を冷静に読み解いていきます。

この記事について

  • 発言の背景 を知ることで、単なる「恫喝」報道の印象に流されず本質を理解できる
  • 徒歩訓練の必要性 を確認し、災害時や防衛の現場で何が求められるかが分かる
  • 報道の偏り を比較し、地元紙と全国紙のスタンスの違いを客観的に把握できる
  • 市民側の問題発言 にも光を当て、公平な議論の土台を得られる
  • 自衛隊と地域の関係 を多面的に理解し、今後の議論に活かせる

1. 発言の背景と正当性

2025年8月6日早朝、宮古島駐屯地の比嘉隼人警備隊長は、新隊員16名の徒歩訓練を監督中に市民団体の抗議に対し「許可を取れ、早く」と強い調子で発言しました。
この様子は動画に記録され、沖縄の主要紙は 「市民への恫喝」 と報じました
[4][5]

ただし背景には、拡声器による大音量抗議で周辺住民やホテル利用者への影響が懸念され、訓練を続行しつつ安全を確保するための現場判断がありました。
比嘉司令は後に「威圧的と捉えられたのなら本意ではない」と謝罪しています
[1]

また、駐車場利用に関する「許可」の指摘については、市民側に許可は不要であり、自衛隊側も事前申請をしていなかったことが確認されています
[2][5]
結果的に誤認に基づく発言でしたが、責任者として新隊員を守る姿勢は理解できます。

2. 徒歩訓練の必要性

問題となった徒歩訓練は、新隊員教育課程の「徒歩防災訓練」で、伊良部島と下地島を縦断する約35kmの行軍でした。
想定は 「台風で道路が寸断され車両が使えない状況」 であり、物資輸送や人命救助の初動を担うシナリオです
[2]
担架搬送なども組み込まれており、実戦的な防災訓練と位置づけられます。

比嘉司令は「今後も必要な訓練は続ける」と述べています
[3]
徒歩訓練は新隊員の体力や精神力を鍛えるだけでなく、離島特有の環境で即応するために不可欠な要素です。

市民の一部は「生活空間への軍事介入」との懸念を示しましたが、自衛隊協力会などからは「災害に備えるため必要」と歓迎の声がありました
[2]
このように地域でも賛否が分かれますが、防災・国防の観点からは必須の訓練といえます。

3. 報道の偏りと不均衡

沖縄の地元紙は「恫喝」「どう喝」という強い言葉で批判しました
[4][5]
一方で全国紙や通信社は「謝罪」と事実を簡潔に伝える程度にとどまりました
[6][7]

さらに、宮古新報は市民団体側が新隊員の保護者に
「皆さん頭はだいじょうぶですか」
と発言した事実を報じています
[8]
これは職業差別や人権侵害に関わる可能性がありますが、主要紙ではほとんど取り上げられていません。

つまり、自衛隊側のみが糾弾され、市民側の不適切な発言が黙殺されるという不均衡 が生じています。
これは公正な議論を妨げる要因となっています。


写真は陸上自衛隊-宮古島駐屯地のX(旧ツイッター)ですが、自衛隊支援団体等関係者が撮影されていたために関係者に確認したところ

「あなた方は、自分の子や孫を人殺しの職業に就職させて恥ずかしくないのか」

「台湾有事は無い」

とか拡声器を使って叫んでいたとのことでした。(動画はなし)

こうなると、公開された恫喝が途中から公開されていたので、恫喝に至るまでの動画も公開していただきたいと思います。

まとめ

今回の件は、比嘉司令の言葉が強かったことは否めません。
しかし背景には、新隊員を守る責任と、災害対応力を高める訓練という合理的な理由がありました。さらに市民側の問題発言が十分に報じられない現状は公平性を欠いています。

必要なのは一方的な批判ではなく、双方の言動を等しく検証し、地域と自衛隊が信頼関係を築きながら防災と防衛に備えることです。


参考文献

  • [1] 沖縄タイムス. (2025年8月12日). 「威圧的と捉えられたのなら本意ではない」 陸自宮古島司令、市民へ限定的に謝罪. 沖縄タイムス
  • [2] 琉球新報. (2025年8月6日). 陸自、伊良部で徒歩訓練 公道35キロ 市民、抗議と歓迎. 琉球新報
  • [3] 琉球新報. (2025年8月6日). 陸自の徒歩訓練「今後も」 宮古島駐屯地司令が明言. 琉球新報
  • [4] 沖縄タイムス. (2025年8月10日). 「ホテルあるだろ、ホテル!」「市民のものじゃない」 やりとり全文. 沖縄タイムス
  • [5] 琉球新報. (2025年8月13日). 社説:宮古陸自市民どう喝 非を認め直ちに謝罪を. 琉球新報
  • [6] 神戸新聞(共同通信配信). (2025年8月19日). 陸自宮古島駐屯地トップが謝罪. 神戸新聞NEXT
  • [7] TBSニュース(琉球放送). (2025年8月11日). 「許可を取ってこい」発言映像. TBS NEWS DIG
  • [8] 宮古新報. (2025年8月20日). 新隊員の保護者に「皆さん頭はだいじょうぶですか」と発言. 宮古新報, 7面.

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コメント

    • 高江洲 小百合
    • 2025.08.26 11:24pm

    ウチの子も航空自衛隊で頑張っているところです。
    テレビだけだと分からん部分が観ている大半は偏った思いを持つことになりと,悲しい現実

    残念ながら沖縄はまだまだ平和平和で
    ニュース,新聞が情報が対等ではなくそれはおかしいところ。平和は誰しも思うコト
    そこの部分を利用する何か❓

    平等に訴える新聞やニュースがあるといいな、と思うナイチャー嫁です。

      • ohyama
      • 2025.08.27 12:55am

      とても率直で胸に響くお気持ちですね。

      沖縄は「平和」という言葉が特別な重みを持つ地域ですが、そこに偏った伝え方や一面的な報道があると、現場で必死に任務を果たしている自衛官やその家族の思いが伝わりにくくなってしまいますよね。

      平和は誰にとっても大切な価値であり、自衛隊員も同じように「平和を守るために」活動しています。本来なら、その役割や努力も公平に取り上げられるべきなのに、ニュースや新聞でバランスを欠くと、国民の理解に偏りが生まれてしまう。そこが「悲しい現実」という言葉につながっているのだと感じました。

      「平和を守る姿」「平和の裏側を支えている人たちの現実」を、きちんと伝える場やメディアが必要ですね。平等な視点で発信される情報が広がれば、沖縄でも「平和を願う心」と「安全を守る努力」が対立ではなく補い合うものとして理解されるのではないでしょうか。

      ──ナイチャー嫁さんの言葉は、多くの方が見落としがちな部分をしっかり突いていて、とても大切な視点だと思います。

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